『七月のなまけもの』は
たつみ暁個人サイトならびに個人サークル名です。ファンタジー小説中心に、現在まったり気まぐれに運営中。オフライン活動もしております。
作品のレーティングは特にしていませんが、作中で予告無しに暴力・流血表現が出て来たり、性的な描写をにおわせたりする場面があります。苦手な方はご注意を。
このサイトに掲載されている文章や画像の無断転載、引用、自作発言を固く禁じます。ヘッダーとアイコンのイラストはkit様画です。
イベント参加予定
+2026/10/31(土)~11/01(日)紙本祭8(オンライン/申込済)+2026/11/08(日)文学フリマ東京43(M-36)
+2026/12/13(日)コミティア158(申込済)
お知らせ
✳2026/02/13、くるみ舎こはく文庫様より、いぬい真宵名義で新作ティーンズラブ中編小説『婚約破棄は違法です! ~追放された悪役令嬢は辺境の教会で恋に堕ちる~』が配信開始されました。(18歳未満の方はご遠慮ください)・執筆活動履歴、受賞歴、商業作品履歴につきましては、こちらにあります。
・ものかきの仕事ご依頼、アンソロジー寄稿などは、こちらからご連絡くださると幸いです。得意分野は異世界ファンタジーで、哀しみや試練を乗り越えて未来に続くハッピーエンドが好きです。他ジャンルも全年齢向け、ティーンズラブ共に積極的に取り組みますので、是非ご相談ください。
・サイト名 七月のなまけもの
・管理人名 たつみ暁(タツミ アキラ)
・X @tatsumisn
・小説投稿サイト カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
・同人誌通販 架空ストア様
・FANBOX pixivFANBOX
・問い合わせ こちらのフォームへ
・サイトURL https://tatsumi-sloth.club/
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2026年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
今週のケントゥリア
どんどん予言の成就に向けて事態が転がってってますな~!? これ、セオドリクにユリアンが負けて、アトリアが助からなくて、ルカとララワグさん闇堕ちルートでは?
それに、いよいよディアナが飛び始めたのも、ティティが弓を習うのも怖いな……。サンホラの恋人を射ち墜とした夜が過る……。
あとあれ、ララワグさんはとうに本体を乗っ取られてるのでは?
「ふざけるなよガキが」
って勝手に出てきたあの人格こそが、本来のララワグさん本体では? あの人格をころしたらララワグさんしぬのでは……?
時に厳しくも、優しい言葉をかける明るい辺境伯を、増殖体が演じてるとしたら、相当怖いぞ……。畳む
どんどん予言の成就に向けて事態が転がってってますな~!? これ、セオドリクにユリアンが負けて、アトリアが助からなくて、ルカとララワグさん闇堕ちルートでは?
それに、いよいよディアナが飛び始めたのも、ティティが弓を習うのも怖いな……。サンホラの恋人を射ち墜とした夜が過る……。
あとあれ、ララワグさんはとうに本体を乗っ取られてるのでは?
「ふざけるなよガキが」
って勝手に出てきたあの人格こそが、本来のララワグさん本体では? あの人格をころしたらララワグさんしぬのでは……?
時に厳しくも、優しい言葉をかける明るい辺境伯を、増殖体が演じてるとしたら、相当怖いぞ……。畳む
経過
乳腺外科に行った結果。
「ワカラナイ!!」
しかもマンモで無理矢理潰した結果、痛みの範囲と強さが増した……。
紹介状を握り締め、予約無しの5時間コースで大きい病院に飛び込みます。
これ、自分では、16年前と同じ病気だってのと、なった理由、わかってるんだよな……。私が迂闊すぎた……。畳む
乳腺外科に行った結果。
「ワカラナイ!!」
しかもマンモで無理矢理潰した結果、痛みの範囲と強さが増した……。
紹介状を握り締め、予約無しの5時間コースで大きい病院に飛び込みます。
これ、自分では、16年前と同じ病気だってのと、なった理由、わかってるんだよな……。私が迂闊すぎた……。畳む
Excelのマクロも組めない珍獣が、VBA超入門をやってきた!
おもろい!!
HTMLを独学したあの頃を思い出す!
このコードがこうなるって、なんとなく読めるから、隣の人のエラーも直せたのが嬉しい。
血眼になってHTMLとCSSの本を読んで、自分でページを改装したあの頃の執念って、血肉になってるんだなあと感じました。
教本買うか……VBAの……。勉強してますって言ったら、アピールポイントにプラスできるかな。
おもろい!!
HTMLを独学したあの頃を思い出す!
このコードがこうなるって、なんとなく読めるから、隣の人のエラーも直せたのが嬉しい。
血眼になってHTMLとCSSの本を読んで、自分でページを改装したあの頃の執念って、血肉になってるんだなあと感じました。
教本買うか……VBAの……。勉強してますって言ったら、アピールポイントにプラスできるかな。
だめだなあ 些細なことでイラアッとしたり、泣き出したりする
まるでお前は生きているだけで邪魔なんだって、世界中から言われてるみたいで、ケントゥリアのディアナみたくなっちゃうよ……。
まるでお前は生きているだけで邪魔なんだって、世界中から言われてるみたいで、ケントゥリアのディアナみたくなっちゃうよ……。
2026年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
#生きる のがつらい。
最近の状態です。
16年前に、乳輪下膿瘍という病気で、全身麻酔手術しました。
それに近い痛みというか炎症が、右胸に出ています。
当時もお局のいじめのストレスだったので、今回も、あと9ヶ月で就職しないと生きられないという焦りと、周りの人間がどんどん入れ替わってゆく負荷が大きかったのだと思います。
乳腺外科を探したけれど、全然予約が取れなくて、来週まで我慢できないと、かかりつけ内科の、いつもと違う先生に診ていただきました。
原因はわからず、がん、膿瘍の可能性あり、とカルテ丸見えだけど、まずは炎症が起きているだろうから、乳腺外科に行く日までということで、対症療法的に痛み止めと抗生物質で様子を見ることになりました。
16年前も、『悪性腫瘍の可能性あり』の10文字が見えちゃって、次の日泣きながら東京タワーに生まれてはじめて登ったんですよね。なんなんだ。
頑張ろうとすればするほど身体は悲鳴をあげて、まるでお前が普通に生きることができるものかって言われているようで、心が折れて、薬局で薬剤師さんの前で泣いちゃったんだけど、あと4日、なんとか持ちこたえたい。
そして一生続けられる仕事と執筆を両立して、笑って生きたい。
そのためにも、はやく治まってほしい~!畳む
最近の状態です。
16年前に、乳輪下膿瘍という病気で、全身麻酔手術しました。
それに近い痛みというか炎症が、右胸に出ています。
当時もお局のいじめのストレスだったので、今回も、あと9ヶ月で就職しないと生きられないという焦りと、周りの人間がどんどん入れ替わってゆく負荷が大きかったのだと思います。
乳腺外科を探したけれど、全然予約が取れなくて、来週まで我慢できないと、かかりつけ内科の、いつもと違う先生に診ていただきました。
原因はわからず、がん、膿瘍の可能性あり、とカルテ丸見えだけど、まずは炎症が起きているだろうから、乳腺外科に行く日までということで、対症療法的に痛み止めと抗生物質で様子を見ることになりました。
16年前も、『悪性腫瘍の可能性あり』の10文字が見えちゃって、次の日泣きながら東京タワーに生まれてはじめて登ったんですよね。なんなんだ。
頑張ろうとすればするほど身体は悲鳴をあげて、まるでお前が普通に生きることができるものかって言われているようで、心が折れて、薬局で薬剤師さんの前で泣いちゃったんだけど、あと4日、なんとか持ちこたえたい。
そして一生続けられる仕事と執筆を両立して、笑って生きたい。
そのためにも、はやく治まってほしい~!畳む
今週のケントゥリア
ララワグさんがどんどん狂ってくのに、すんでのところで踏ん張ってるのが痛々しい……。ルカと至高き君に手紙を残すって、自分の実情を告白して、いざという時はころしてくれってことなのかなあ……?
そしてディアナがかわいそうすぎる……。毒電波のせいで「消えた方がいいのかなあ……?」って希死念慮出ちゃってるの、あれに一生苛まれるんだって……。
それを咄嗟にララワグさんが抱き締めるの、やっぱりこの人根っこはすごい善人なんだよね。
そしてララワグさんに、戦い方を教えてと言うディアナに、預言者がアンヴァルに見せた未来が見えましたわよ! あの時のディアナとおぼしき女性、武器持ってたもんね。
預言者、自分のせいで確実に、見た未来に向かってること自覚した方がいいぞ!!畳む
ララワグさんがどんどん狂ってくのに、すんでのところで踏ん張ってるのが痛々しい……。ルカと至高き君に手紙を残すって、自分の実情を告白して、いざという時はころしてくれってことなのかなあ……?
そしてディアナがかわいそうすぎる……。毒電波のせいで「消えた方がいいのかなあ……?」って希死念慮出ちゃってるの、あれに一生苛まれるんだって……。
それを咄嗟にララワグさんが抱き締めるの、やっぱりこの人根っこはすごい善人なんだよね。
そしてララワグさんに、戦い方を教えてと言うディアナに、預言者がアンヴァルに見せた未来が見えましたわよ! あの時のディアナとおぼしき女性、武器持ってたもんね。
預言者、自分のせいで確実に、見た未来に向かってること自覚した方がいいぞ!!畳む
美味しいお肉を食べて、お茶しながらめっちゃ喋ってきた……楽しかった……。
約10年ぶりに二次創作イベントに戻ってきた本をいただいたのだけど、何を食べたらこんなギャグ出てくるんだってセンスは健在で、才能って衰えないんだなあと感心しました。
私は才能が無い分を、努力を積み重ねることと、たまの運で積み上げていくしかないけれど、まだまだ頑張ろうって気持ちになりました。
約10年ぶりに二次創作イベントに戻ってきた本をいただいたのだけど、何を食べたらこんなギャグ出てくるんだってセンスは健在で、才能って衰えないんだなあと感心しました。
私は才能が無い分を、努力を積み重ねることと、たまの運で積み上げていくしかないけれど、まだまだ頑張ろうって気持ちになりました。
色々病んだりは勿論してるんだけど、大阪楽しかったし、いろいろお出かけやお食事や約束事も楽しかったので、先月までよりは今月は良かったのではないかと思ってる!
明日も人とお会いする約束があるので楽しみ! 私のメニエールで一回流れてしまったので、いっぱい話すぞ~!!
明日も人とお会いする約束があるので楽しみ! 私のメニエールで一回流れてしまったので、いっぱい話すぞ~!!
#語彙トレ2026 『この大地の上で』09/11~09/20まとめです。
新キャラが生えたり、エクセルと光まわりを描きたくて仕方無かったり、忙しい期間です。
作品は異なりますが、エクセルと光は、原作を書いていた頃の作者イチオシカプだったので、この話でもなんとかしたい欲が出て、「時雨とソフィアの視点」から外れる、ズルをしてしまいました。
前→737
09/11-媒介
どうしよ。顔が、火照ってる。自分で言っといて、なんだけど。細さんを媒介に、一生見てる、みたいな、告白、しちゃったようなもの。
そんなの、今の時雨には、重荷でしかない。背負うものが多くて、彼を、苦しめる。
時雨は優しいから、甘えすぎてた。
そっと、手を離そうとしたら。
「いいもの売ってるな」
元の調子に戻った時雨が、ひとつのお店、見てる。アクセサリ屋だ。
ノルンは自治都市の金属、草原諸国の原石が、とれるから、東方で、彫金技術が発達してる。ホクナの民は、盟主不在の中でも、それで生き延びた、って。
きらきら、輝くアクセサリを、覗き込んだ。
09/12-触媒
「おっ、兄さん、お目が高い!」
お店のおじさんが、いい客つかまえた、ってばかりに、営業スマイル、全開にする。
「ここにあるのは、草原諸国の特別な触媒を使って、銀を霊銀(ミスリル)に昇華させたものばかり。ご利益はばっちりだぜ」
うわー……、怪しげな口上。霊銀って、西のシャングリアでしか、採れないんじゃなかったっけ。
でも、時雨はすごい真面目な顔してアクセサリに見入って。
しゃらり、と。鈴のついた腕輪を、ひとつ、手に取ると。わたしの手首に、当ててみる。
「うん」
満足げに、うなずいてる、けど。
見えてる見えてる、値札! うん、じゃないよ!
09/13-代償
「毎度あり!」
あ、あああ。時雨、値札通りのお金、払っちゃった。もしかして、時雨って意外と、金銭感覚ガバガバ? 『星の忍』なんて高位の忍で、太守跡継ぎの養子、だったから?
育ちの代償、大きかった、よ。恭司様、ちゃんとこういうとこ、教育しといて欲しかった……。
まあ、人のこと言えないけど、わたしは、あのひとの目、盗んで、ちょこちょこ街に、降りてたから。踊りもその時に、旅のジプシーに、教えてもらった。
師匠、元気かな。
『免許皆伝だ』
って言われて別れたきり。どこかで、戦火に巻き込まれてないと、いいけど。
考え込んでると、鈴の音が鳴った。
09/14-印影
しゃらん、と。
わたしの左手首で、鈴が鳴る。
「これで」
時雨が、満足そうに、微笑んだ。
「どこにいても、あんたを見つけられるな」
「わたし、猫かなにか?」
「そういう訳じゃあないが」
ぷう、と膨れてみせると、時雨、慌てて首を横に振る。
でも、いいけど。
時雨の印影が、わたしに刻まれたかの、ように。時雨の優しさが、わたしの心に、沁みる。
「じゃあ、わたしが迷子になったら、時雨、見つけてね」
「ああ」
時雨が、真面目な顔つきで、頷く。
「どこにいても、必ず」
「じゃあ」
わたしも、にっこりと。
「どこにいても、時雨のこと、見つけるよ」
09/15-疼く
弟と、妹みたいな少女は、今頃『聖域』で、初々しいやりとりをしているだろう。ひとり、ふっと笑ったところで、無いはずの右目がじくじくと疼いて、前髪の上からおさえてうずくまった。
「ちょっとあんた!? 大丈夫!?」
『星の忍』の少女が、焦りきった声で肩にしがみついてくる。左手を掲げて、大丈夫だという意思表示をした。
「ラグナール兵として、潜り込んだ時に、ちょっとヘマしてな」
あのクソッタレ王に目を取られ、刃を握れば数秒で死に至る呪いをかけられた。
『小物はせいぜい転がって苦しめ』
奴はそう嗤った。
「なんで、そんな」
彼女が憤慨する理由が、わからない。
09/16-饐える
吐き気が込み上げて思わずえずく。
『時雨様がいらっしゃらない今、ホクナを率いることができるのは、秋霖様だけですわ!』
子供の頃から持ち上げられて、民が戦いに出るのを見送った。彼らが物言わぬ身体になって帰ってくるのを迎えた。蝿が飛び交う饐えたにおいに、泣きながら吐いた。
時雨に意趣返しをしたかったわけではない。できることなら、ソフィアと一緒に、戦と関係無い、日の当たる場所で、穏やかに暮らしていて欲しかった。だが、ホクナの民が、ジャオウの民が、それを許さないだろう。
「……あんた」
忍の少女が呆れきった顔をした。
「思った以上にわかりやすいわよね」
09/17-馨る
連合軍の噂は馨る。マアサルの翠黛のこちら側、草原諸国、東方、自治都市連合の隅々まで、若き盟主たちの話は、波のように広がった。
ヴァイシャと高砂は妥当にしても、俺の名前まで混じっているのは、落ち着かないが。
だが、ラグナール軍に攻め入られた土地から、希望を求めて、ルーマンの砦にひとびとが押し寄せる。最早誰がどこの出身かなんて、どうでもいいくらいに。
「盛り上がっている時こそ、気をつけるべきです」
そう言って眼鏡をくい、と指で押し上げるのは、先代フェルガナ族長の頭脳、フォルカだ。
「木馬に潜んだ敵が、入り込んでいるやもしれませんゆえ」
09/18-薄明
砦の屋上から、草原を見渡す。マアサルの翠黛が、薄明でほの明るく縁取られる。
連合軍では立場など関係無い。盟主でも参謀でも、平等に見張り番が回ってくる。フォルカの存在は、今までの会議にヴァイシャと同席していたことで知っていたが、二人きりで話すのは初めてだ。
「あんたは、もうこの軍に間諜が入り込んでいると、思っているのか?」
「立場だけ見れば、ラグナールの姫君と、ラグナール兵として潜り込んで彼女を手助けしたことのある、あなたの兄上が」
じとりと睨むと、織り込み済みだったのだろう。彼は肩をすくめる。
「立場だけ見れば、の話ですよ。落ち着いてください」
09/19-楼閣
「間諜を探す時、まず疑うべきは、敵側に足を踏み入れた者。私はそれを失念して、族長を亡くしました」
昇りゆく太陽を見つめながら、フォルカが訥々と語る。
「ラグナールとの緒戦で捕らわれ、解放されたクラナハを、お嬢は喜んで出迎えた。それが過ちでした」
ああ、クラナハって、ニネヴェの裏切り者で、ヴァイシャの許婚だったか。おおかた、ラグナールに捕らわれた際に、ゼノスに何か吹き込まれて、変心したんだろう。
草原諸国も、ジャオウの楼閣と一緒だ。同族の皮をかぶった連中が、いつ相手を高みから引きずり下ろすか、虎視眈々と機会を狙っている。
『どいつもこいつも、じゃな』
09/20-迷宮
「戦とは、迷宮のようなものです」
フォルカが眼鏡をくいっと押し上げて、目をすがめる。
「誰が正しいか間違っているかが無い。豊穣な地は焼け、命は失われ、終わりが見えない。彷徨った果てにあるのは、荒れ果てた大地と疲弊した人々。太陽の光も、虚しく降り注ぐばかりです」
「あんた、詩人になった方が向いてるんじゃあないか?」
「先代にもよく言われました」
声では笑ったが、口元が歪んでいる。自嘲だろう。
「先程の話ですが、疑わしきはまだいます」
まだ木馬の中の兵を出すのか。半眼で睨むと。
「大陸を自由に行き来する商人。これが一番怪しいです」
まさか、アナベラを?畳む
#アルファズル戦記
#この大地の上で
新キャラが生えたり、エクセルと光まわりを描きたくて仕方無かったり、忙しい期間です。
作品は異なりますが、エクセルと光は、原作を書いていた頃の作者イチオシカプだったので、この話でもなんとかしたい欲が出て、「時雨とソフィアの視点」から外れる、ズルをしてしまいました。
前→737
09/11-媒介
どうしよ。顔が、火照ってる。自分で言っといて、なんだけど。細さんを媒介に、一生見てる、みたいな、告白、しちゃったようなもの。
そんなの、今の時雨には、重荷でしかない。背負うものが多くて、彼を、苦しめる。
時雨は優しいから、甘えすぎてた。
そっと、手を離そうとしたら。
「いいもの売ってるな」
元の調子に戻った時雨が、ひとつのお店、見てる。アクセサリ屋だ。
ノルンは自治都市の金属、草原諸国の原石が、とれるから、東方で、彫金技術が発達してる。ホクナの民は、盟主不在の中でも、それで生き延びた、って。
きらきら、輝くアクセサリを、覗き込んだ。
09/12-触媒
「おっ、兄さん、お目が高い!」
お店のおじさんが、いい客つかまえた、ってばかりに、営業スマイル、全開にする。
「ここにあるのは、草原諸国の特別な触媒を使って、銀を霊銀(ミスリル)に昇華させたものばかり。ご利益はばっちりだぜ」
うわー……、怪しげな口上。霊銀って、西のシャングリアでしか、採れないんじゃなかったっけ。
でも、時雨はすごい真面目な顔してアクセサリに見入って。
しゃらり、と。鈴のついた腕輪を、ひとつ、手に取ると。わたしの手首に、当ててみる。
「うん」
満足げに、うなずいてる、けど。
見えてる見えてる、値札! うん、じゃないよ!
09/13-代償
「毎度あり!」
あ、あああ。時雨、値札通りのお金、払っちゃった。もしかして、時雨って意外と、金銭感覚ガバガバ? 『星の忍』なんて高位の忍で、太守跡継ぎの養子、だったから?
育ちの代償、大きかった、よ。恭司様、ちゃんとこういうとこ、教育しといて欲しかった……。
まあ、人のこと言えないけど、わたしは、あのひとの目、盗んで、ちょこちょこ街に、降りてたから。踊りもその時に、旅のジプシーに、教えてもらった。
師匠、元気かな。
『免許皆伝だ』
って言われて別れたきり。どこかで、戦火に巻き込まれてないと、いいけど。
考え込んでると、鈴の音が鳴った。
09/14-印影
しゃらん、と。
わたしの左手首で、鈴が鳴る。
「これで」
時雨が、満足そうに、微笑んだ。
「どこにいても、あんたを見つけられるな」
「わたし、猫かなにか?」
「そういう訳じゃあないが」
ぷう、と膨れてみせると、時雨、慌てて首を横に振る。
でも、いいけど。
時雨の印影が、わたしに刻まれたかの、ように。時雨の優しさが、わたしの心に、沁みる。
「じゃあ、わたしが迷子になったら、時雨、見つけてね」
「ああ」
時雨が、真面目な顔つきで、頷く。
「どこにいても、必ず」
「じゃあ」
わたしも、にっこりと。
「どこにいても、時雨のこと、見つけるよ」
09/15-疼く
弟と、妹みたいな少女は、今頃『聖域』で、初々しいやりとりをしているだろう。ひとり、ふっと笑ったところで、無いはずの右目がじくじくと疼いて、前髪の上からおさえてうずくまった。
「ちょっとあんた!? 大丈夫!?」
『星の忍』の少女が、焦りきった声で肩にしがみついてくる。左手を掲げて、大丈夫だという意思表示をした。
「ラグナール兵として、潜り込んだ時に、ちょっとヘマしてな」
あのクソッタレ王に目を取られ、刃を握れば数秒で死に至る呪いをかけられた。
『小物はせいぜい転がって苦しめ』
奴はそう嗤った。
「なんで、そんな」
彼女が憤慨する理由が、わからない。
09/16-饐える
吐き気が込み上げて思わずえずく。
『時雨様がいらっしゃらない今、ホクナを率いることができるのは、秋霖様だけですわ!』
子供の頃から持ち上げられて、民が戦いに出るのを見送った。彼らが物言わぬ身体になって帰ってくるのを迎えた。蝿が飛び交う饐えたにおいに、泣きながら吐いた。
時雨に意趣返しをしたかったわけではない。できることなら、ソフィアと一緒に、戦と関係無い、日の当たる場所で、穏やかに暮らしていて欲しかった。だが、ホクナの民が、ジャオウの民が、それを許さないだろう。
「……あんた」
忍の少女が呆れきった顔をした。
「思った以上にわかりやすいわよね」
09/17-馨る
連合軍の噂は馨る。マアサルの翠黛のこちら側、草原諸国、東方、自治都市連合の隅々まで、若き盟主たちの話は、波のように広がった。
ヴァイシャと高砂は妥当にしても、俺の名前まで混じっているのは、落ち着かないが。
だが、ラグナール軍に攻め入られた土地から、希望を求めて、ルーマンの砦にひとびとが押し寄せる。最早誰がどこの出身かなんて、どうでもいいくらいに。
「盛り上がっている時こそ、気をつけるべきです」
そう言って眼鏡をくい、と指で押し上げるのは、先代フェルガナ族長の頭脳、フォルカだ。
「木馬に潜んだ敵が、入り込んでいるやもしれませんゆえ」
09/18-薄明
砦の屋上から、草原を見渡す。マアサルの翠黛が、薄明でほの明るく縁取られる。
連合軍では立場など関係無い。盟主でも参謀でも、平等に見張り番が回ってくる。フォルカの存在は、今までの会議にヴァイシャと同席していたことで知っていたが、二人きりで話すのは初めてだ。
「あんたは、もうこの軍に間諜が入り込んでいると、思っているのか?」
「立場だけ見れば、ラグナールの姫君と、ラグナール兵として潜り込んで彼女を手助けしたことのある、あなたの兄上が」
じとりと睨むと、織り込み済みだったのだろう。彼は肩をすくめる。
「立場だけ見れば、の話ですよ。落ち着いてください」
09/19-楼閣
「間諜を探す時、まず疑うべきは、敵側に足を踏み入れた者。私はそれを失念して、族長を亡くしました」
昇りゆく太陽を見つめながら、フォルカが訥々と語る。
「ラグナールとの緒戦で捕らわれ、解放されたクラナハを、お嬢は喜んで出迎えた。それが過ちでした」
ああ、クラナハって、ニネヴェの裏切り者で、ヴァイシャの許婚だったか。おおかた、ラグナールに捕らわれた際に、ゼノスに何か吹き込まれて、変心したんだろう。
草原諸国も、ジャオウの楼閣と一緒だ。同族の皮をかぶった連中が、いつ相手を高みから引きずり下ろすか、虎視眈々と機会を狙っている。
『どいつもこいつも、じゃな』
09/20-迷宮
「戦とは、迷宮のようなものです」
フォルカが眼鏡をくいっと押し上げて、目をすがめる。
「誰が正しいか間違っているかが無い。豊穣な地は焼け、命は失われ、終わりが見えない。彷徨った果てにあるのは、荒れ果てた大地と疲弊した人々。太陽の光も、虚しく降り注ぐばかりです」
「あんた、詩人になった方が向いてるんじゃあないか?」
「先代にもよく言われました」
声では笑ったが、口元が歪んでいる。自嘲だろう。
「先程の話ですが、疑わしきはまだいます」
まだ木馬の中の兵を出すのか。半眼で睨むと。
「大陸を自由に行き来する商人。これが一番怪しいです」
まさか、アナベラを?畳む
#アルファズル戦記
#この大地の上で
昨日紹介状を握り締め、一番乗りではじめての病院へ。
6時間耐久レースを覚悟していたけれど、診察開始時間くらいに一回呼ばれ、先生とお話をして、そこから更に20分くらい待ったところで、生検。(局所麻酔を打って太い針を打ち込み、病巣の組織を採って、色々調べる)
10時には会計終わってました。
それまで抗生物質もロキソニンも効かなかっただけあって、生検の針が打ち込まれたところがめっちゃ痛くなり、カロナールだけ処方されて、
「すいません、ここで飲ませていただいていいですか!?」
と、薬局で1錠あおり、ぼんやりしながら駅への道を歩きました。
現状、生検痕が膿んでいる様子は無く、まあ痛いのは痛い。
後日検査結果を聞きに行くので、それまでは、なんともなかった場合を想定して、就活の準備を進めていかないとです。畳む