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七月のなまけもの
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2026年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

『灰になるまで君を呼ぶ』01/01~01/10

#語彙トレ2026 というブルスカでのタグに乗っかって、文章練習に書き始めました、広義の『アルファズル戦記』南の大陸編を。
何の準備も無く、人名地名設定もほとんど忘れて久しいので、行き当たりばったりでいきます。エターナる可能性も、途中で心折れる可能性も、そもそも365日より早く終わる可能性もあります。

およそ10日毎に、このてがろぐにまとめてゆきます。本文は畳みます。


01/01-端緒
銃声ひとつ。
敵兵が額から血を噴いてあおむけに倒れるのを、壁の陰から確認して、走り出す。途端に銃撃の雨が降り注いだが、鍛えられたしなやかな筋肉で躍動するように全てをかわす。
アサル=アリム共和国とアグレイシア皇国の戦が始まった端緒は、皇国の皇女レイティスが、友好の使徒としてアサル=アリムを訪問中に行方不明になったことだった。
元々両国の関係は芳しくなく、理由さえあればいつでも開戦できたのだ。
「ったく、お偉方はよ」
愚痴りながら弾を込め直し、更に敵兵を撃ち倒した。

01/02-凍てつく
「ディックス!」
敵兵が全て倒れたところで、僚兵が手を振る。
「エース様はよくやるぜ」
「茶化すなよ」
彼らは『LINKS』の隊員である。かつてこのマルディアス大陸が、ファルメアというひとつの帝国だった頃、皇家の懐刀として、戦闘、諜報、暗殺などを請け負った特殊部隊の名だ。それが今も、アサル=アリム大統領の配下として機能している。
「さて、次の戦場は……っと」
彼がタブレットを持ち出して操作する。が。
「……え?」
怯えた声を聞いて、ディックスは赤い目を向け、驚きで瞠る。
仲間の手が凍っている。ぴきぴきと音を立てて、あっという間に彼は氷の彫像と化した。

01/03-熾火
ディックスはすぐさま銃を構え直して辺りを見渡す。自身の体内で常に燃えている、己の熾火を呼び起こし、油断無く敵の気配を探る。
ぴしり、と。指先に冷たさが走る。だが、彼の生来持つ『能力』が、あっという間に冷気を溶かした。
途端に殺気が迫る。氷結でディックスを仕留められないと悟った敵が、即座に白兵戦に切り替えたのだろう。肩までの茶髪を翻した、アグレイシア兵服の女が、ナイフ片手に迫ってくる。銃の迎撃も全てかわし、人並外れた跳躍をして襲いかかってくる。
ディックスもすぐさまナイフを取り出して、刃を受け止める。そして、僚兵が凍りついた時以上の驚きにとらわれた。

01/04-軋轢
『おとうさんが、ギルにはついていけないって言うの』
自分の育ての親であるLINKS隊長と、彼女の父親である研究所長の間に生じた軋轢は、もはや修復不可能になっているのは、子供の目から見てもわかった。養父にくってかかる所長の目は、血走っていて怖かった。
『「ぼうめい」するって言ってる』
『お前もついていくのか?』
訊ねれば、少女は黒い瞳を憂いに細めて、
『おとうさん、ひとりになっちゃうから』
と膝を抱え直した。
その面影がある。
「ティナ?」
少女の名前をつぶやく。女性兵は瞠目し、
「……ディックス?」
ぽろりと、こぼれ落ちるようにこちらの名を呼んだ。

01/05-淵源
「どうして、お前がアグレイシアに」
つばぜり合いをしながら、我ながら抜けた問いかけをしていると思う。所長は『亡命』したのだ。その先で研究を諦めるとは思わない。
『ひとの持つ可能性を最大限に引き出す』
という研究を。
そしてそのメスが、実の娘に向かない理由が無い。彼女は幼い頃から、炎を帯びる自分とは逆に、あらゆるものを凍てつかせる能力を発現していたのだから。
「……ディックス」
記憶より落ち着いた声で、少女は語りかける。
「この戦争の淵源を追って。レイティス様を、守って」
それだけを残して、彼女は飛び退り、あっという間に物陰に姿を消した。

01/06-雅趣
気づけば周囲は静まり返っていた。敵兵は全滅し、自分以外のLINKS隊員は、幼馴染の能力によって凍りついただろう。まだ冷気が漂っている。
研究所長の、現実を見ているのかわからないぎょろついた目が脳裏に蘇る。奴は実の娘まで兵器に仕立て上げたのか。
「……下衆い」
つぶやいて、足元の小石を蹴る。ころころ転がったそれは、半端な位置で跳ね返され、「あっ」と高い声が聞こえた。
咄嗟に銃を構え直す。石の返ったところでステルス布がずり落ちる。雅趣めいた服装に身を包んだ、紫髪に蒼い瞳の女性が、おののきに唇を震わせていた。

01/07-綻び
女性の纏う衣装は、アグレイシア織布を使った、皇族や貴族のものだ。しかしそれは薄汚れ、綻びが見える。
更にディックスが眉をひそめたのは、女性が手枷をかけられていたことだ。ステルス布まで使って、ここの敵兵は、彼女を護送する途中だったのか。
ひとつの可能性に至る。女性の前に膝をつき、問いかける。
「あんた、レイティス皇女か」
質問に、女性の肩がびくりと震える。それが答えだ。
「安心しろ、オレはあんたに危害を加えない」
「きがい……あぶないこと、しない?」
大人じみた顔立ちとは裏腹に、子供のような口調で問いかけてくる皇女に、力強く頷き返した。

01/08-仄見える
銃をひと撃ちして手枷を外し、「立てるか」と手を握る。皇女はおずおずと頷きながら、引かれるままに身を起こした。
「あんた、何でこんなところにいるんだ。こいつらは護衛兵じゃないのか?」
「ちがう、しらない。ごえい……は、ジーク」
「そのジークってのは?」
問いかけても、ふるふると首を横に振るばかりで、まともな事情は引き出せそうに無い。
「ジーク、いない。レティ、ひとりぼっち」
しくしくと。迷子のようにしゃくりあげる皇女は、まるで子供返りだ。恐らく、幼児退行するほどの「何か」があったのだろうことくらいは、仄見えた。

01/09-浸食
アサル=アリムの首都ヴァルファレスは、高山が長年の激しい風雨に浸食された台地の上に聳えている。かつて天から降りてきた始祖種ヴァーンの機械技術により、あたりの天候を常春に変えて、ひとの住める場所にしたのだ。
舗装された道路にバイクを走らせる。二人で乗ることを想定していなかったので、ヘルメットはひとつしか無い。当然、レイティスに被せた。ここで彼女が転がり落ちて頭を打ちでもしたら、それこそ大問題だ。
ディックスを庇護者と認識したのか、彼女はぎゅっとこちらの腰に腕を回してしがみついている。
バイクは坂を登って、都市の中枢ターミナル・ゼロへと向かった。

01/10-境界線
ターミナル・ゼロには境界線が引かれている。一般人は決して入ることができない。LINKSのメンバーと、研究員、そして隊長のギル――ギルガメッシュが許可した者だけだ。
固く閉ざされた金属の扉前でバイクを停め、コンソールを叩き、呼びかける。
「No.1349、ディックス・フリーダン。要救助者を一人保護した。同行の許可を」
数秒の機械思考が走った後、音声が流れる。
『隊長の許可を得ました。お進みください』
扉が両側に開く。肩越しに振り返ると、レイティスはぽかんと口を開けてその様子を見上げている。
(本当に子供さながらだな)
溜息をつき、再びエンジンをふかした。畳む


ひとまず導入まで。
世界観とか、人物まとめとかは、もう少し進んだ頃に改めて語りますが、お察しの通り、他の大陸より機械文明が進んでいます。まあ西の話で多少垣間見えたんですが……。
文章練習のためにがんばりまする。

#アルファズル戦記
#灰になるまで君を呼ぶ

ひとりごと2026年,創作,小説

雪春与太漫画。
ある意味センシティブな題材ですが、かつて書いた『魔法少女ソル・スプリング』の、男子同士の恋、女子同士の友愛とは別の形です。

20260109134120-admin.jpg

ヒオウは正確には、
「ゼファーを女子と見て守るべき対象だと思っているが、『ゼファーの性別が確定しなくても、自分の気持ちは揺らがない』から構わない」
なんですよね。畳む

#アルファズル戦記

日記,ひとりごと2026年,創作,マンガ

ブルスカで語彙トレ2026というのを見たので、突然踏み切りました。
できない、設定が無いと言っていた、『アルファズル戦記』南の大陸の話に。
『灰になるまで君を呼ぶ』、即興だけど、火の始祖種ヴァーンが関わってくる話なので、まあこれでいいかと。

300字365日書けるのか!? 絶対にエターナるか折れるぞ!? ていうか365題消化する前に話が終わるんじゃね!?
……と思ってますが、これで遂に、アルファズル世界の四大陸、断片でも何かしら公開したので、ライフワークの次のライフワークに踏み出したんじゃないかと思います。

雪春以上に人名地名忘れて久しいので、ほぼ完全に仕切り直しです。
断片的に、スケブ(当時アナログ)に描いたものは覚えてるんで、そこの記憶でなんとかします。
とりあえず、雪春でゼファーとヒオウのために引っ張り出した資料に、ディックスとティナも描いてあったはずだと確認して、
「年齢17歳はウソだろ!!」
ってバァンしました。たぶんもうちょい引き上げます。

#アルファズル戦記
#灰になるまで君を呼ぶ

日記,ひとりごと2026年,創作

雪春とアルテアの年齢の話。

ヒオウが27歳でゼファーが18歳なんですが、それでも充分危ういのに、異聞録で、ヒオウ14歳、ゼファー5歳の時に出会っていて、ヒオウは明確にゼファーを女子として好意を抱いたことが明かされるんですよね。ギリギリ子供だから許されるけど(そうか?)、あと6年遅かったら犯罪だぞ!?

……と言ったところで、エレ18歳を妻にしたインシオン29歳も相当ですよな!?
小学校教諭が教え子に手を出すくらいヤバい!!畳む


#アルファズル戦記


追記。思い出したリアルの話混じり。
そういやうちの高校、奥さんが教え子の教師がけっこういたんですよね。
「三者面談で『娘さんをください』って言った教師がいる」という話が、嘘かまことかわからないけど出回るくらいには……。
なのでインシオンはエレの高校卒業と同時に結婚したくらいの勢いでは?畳む

メモ,ひとりごと2026年,創作

冬休みも終わるのに、またへんなものを描いてました。
雪春の、将来的に出したい異聞録のバレが少し入っています。
過去作のキャラも出てくるクロスオーバーなので、おふざけダメな方はご注意ください。

雪春異聞録を書き始めたら、ヒオウがひどい目に遭う羽目になってしまったので、同じような目に遭った他作品のメインヒーローに話を聞いてもらいました。『フォルティス・オディウム』エクリュ編ヒーロー、メイヴィスです。

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メイヴィスはヒオウを雑に扱ってる訳ではなくて、シュレンダイン大陸の唯一王国が滅びて久しいから、「王族に敬意を払う」という概念が無いだけです。
たぶん、ミサクなら元騎士の杵柄で丁寧に接するかと。

他のメインヒーローにも、たつみ村のヒーローの扱いについて聞いてみました。一番年齢が近い人(ヒオウ27、インシオン29)と、『七月のなまけもの』最初のオンライン連載小説ヒーロー、クレテスに。

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こんなんばっかだよ!!!!!
インシオンとクレテスも、とある共通点があるので、ヒオウにはタメ口です。
そもそもヒオウが、相手の多少の無礼を気にしないというか、「むしろ対等に接してくれたほうが嬉しい」って人なので。
聞いてる? インシオン? クレテス? ヒオウだから許されてるよ?畳む


#アルファズル戦記

日記,ひとりごと2026年,創作,マンガ,イラスト

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

占いだと今日は何もしないで、明日から動くのが良いそうなのですが、なんか突然あほな雪春漫画を描いてしまいました。

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お正月のあの歌です。3コマ目のゼファーのフレーズが、昨日から頭の中で回ってて止まらなかったんですよ、ボスケテ。

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さすがにあんまりなので、ヒオウを真面目に描き直しました。デジタルで描くのは初めてです。
光源をいつもと逆にしたら、いつもと逆の影の付け方がわからなくて、七転八倒しました。
今年も精進します。畳む


#アルファズル戦記

ひとりごと2026年,イラスト

2025年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#アルファズル戦記 裏話
完結したらやると言って、やってなかった、世界の構造裏設定の話です。
正確にはイリス編6章で明かされるため、まだWeb連載では出ていないので、ネタバレはまだ! という方は畳んだ先は避けてくださいませ。

原典ではそこまで言及できなかったのですが、アルファズル戦記の世界は、遠未来、地球が滅びた後に人類が辿り着いた星の物語です。
果てしない戦争で人の住めなくなった地球から飛び立った宇宙船のうち、フォモール、ヴァーン、エリオン、ダイナソア、そして旗艦アルファズルの、5機が、新しい星を見つけて降り立ちました。
前4機はそれぞれ、西、南、東、北の大陸に降り立ちましたが、アルファズルだけが着陸に失敗します。
その乗組員達の無念が世界に強い意思として根付いたのが、アルファズルの『神』の正体です。
意思というよりほとんど怨念で、他の船に乗っていたひとびとへの呪詛から、降り立ったひとびと=始祖種に呪いをかけます。
特に魔力に秀でたフォモールは、アルファズル墜落の場面を垣間見ることがあり、その呪いを強く受けました。それがエステル編のレディウスのような、ヴァロールです。

アルファズルは各大陸で戦乱を起こし、始祖種の導きを受けたひとびとに追われて、遂に西の大陸のグランディア地下に封印されます。
そこから数百年、怨念を更に高めていった結果が、狭義の『アルファズル戦記』の物語です。
アルファズルの誤算は、下僕にしたアティルトがクレテスにアルファズルを取り憑かせたけれど、クレテスの魂が身体に宿り続けて神を封じる時があったこと、そしてヴァロールの性質を持つはずのイリスが、それに打ち勝ったことです。
アティルトがヤンデレでイリスに固執しすぎたのを放っておいたのも、敗因ですね。

これを原典を書いていた頃の若い私は、説明できませんでした。今やっと書けるようになりました。
FFとか、堤抄子先生のエルナサーガに、子供の頃脳を焼かれると、こういう、ファンタジーにSFが激突してくる設定が性癖になるんですね……という話でした。

現在進行中の北の大陸の物語『雪が解けて春になる』は、もう少しSF抑えていこうか……と頑張ったんですが、下巻でちょっとポロリ……いやモロリしております。
来年GWあたりに下巻が出るはずなので、見届けてやってくださいませ……!畳む

ひとりごと2025年,創作,小説

雪春の、ゼファーとヒオウ以外のビジュアル化をしたくて、何人かラフを描いたのですが、3Dモデルを使うとどうしてもおかしくなるので、色々アドバイスをいただいて、今まで使っていなかった機能も使って、モデル無しでバストアップを描きました。

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ゼファーの概念上の姉クリミアです。
4章で顔見せしましたが、下巻範囲でがっつり見せ場がありま……見せ場?
#アルファズル戦記 畳む

ひとりごと2025年,創作,イラスト

2025年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

雪春こぼれ話。(下巻範囲や他作品のネタバレ含みます)

例によってたつみ村の破壊神が荒ぶって、バンバンひとが退場していきました。
腕がもげて三途の川を渡りかけたひともいます。
「FOのミサクに続いて2人目の隻腕か?」
って思ったんですけど、アルファズルエステル編のテュアンを忘れていたし、なんならエターナリアのセレンも、ラストバトルでもげかけていたことを、さっき思い出しました。

あまり身体欠損は描かない(ほうだと思っている)のですが、こうして振り返ると、けっこう容赦ないな……と遠い目になっております。畳む

#アルファズル戦記

日記,ひとりごと2025年,創作

雪春、一応エピローグまで書き終わりましたー!!
文披から5ヶ月、エターナった版から約四半世紀……。まさかこんなに爆速で終わるとは思いませんでした。思い切ってほとんどのキャラとエピソードを削って、できるだけ主人公たちにフォーカスしたからだと。
まだ荒削りなのでこれから細々直してゆくことになりますが、下巻範囲はやっぱり字数が弾けて、10万字超えました。現在トータル17万字ほどです。わたしは長編の珍獣……。

ずっとライフワークだと取り組み続けた、西の大陸の物語が終わった年に、北の大陸も終わった以上、これは東と南も書かないとでは!?

とりあえず、雪春下巻を来年の前半にちゃんと出せるよう、諸々調整してゆきます。
あと、背中を丸めていたからからだがバキバキなので、明日のコミティアが終わったら、整体にも行きます。

#アルファズル戦記

日記,ひとりごと2025年,創作,小説