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七月のなまけもの
七月のなまけもの

No.155

昨日がこのサイト『七月のなまけもの』23周年であり、『アルファズル戦記』原典を公開してから23年でした。
本当は当日にヴァーーーっと語りたかったのですが、スマホの機種変更に半日取られて気力が切れていたので、今日振り返ります。
アルファズル第二部のネタバレにも触れますので、ネタバレ避ける派のかたはご注意くださいませ。

それは2000年のある日。
今はなき某コーヒーショップで、チーズケーキとカフェオレをたしなみながら友人と話していた、当時パソコンを持っていなかった私は彼女に力説しました。

「パソコン買ってもホームページなんかやらないよ!」

そのー……数ヵ月後です。同じ友人に言いました。

「ホームページの作り方教えてほしいんだけどさ……」

華麗なる手のひら返しでした。

その数年前から、ノートにキャラクターと簡単な設定、能力値を書き出し、大きな世界観を膨らませていました。
最初にかいたのは、エステルの母親ミスティが主人公の物語。
広義の『アルファズル戦記』第一部、第二部は、ミスティの物語でした。
エステルの物語が第三部として描かれ始めたのは、たしか1998~99年。ファイナルファンタジー7のネタノートにキャラを描いていたのを覚えています。

『アルファズル戦記』の下地には、ファイアーエムブレムとスーパーロボット大戦と幻想水滸伝があります。特にFEはわかるかたにはバレバレです。
まだ設定段階の頃は、他作品とのクロスオーバーをしたりしていました。
でも、設定ばかり書いてなかなか本文が無いまま数年。
「これはミスティ編は書けない。このままでは一生書けない」
と思った私は、エステル編を第一部として、『アルファズル戦記』をワープロに打ち込み始めました。
当時は第二部としてクレテス編があり、イリス編が第三部でした。

原典連載中にガンダムSEEDに触れ、Destinyでブチギレをかました私は、
「お姫様と英雄は幸せになるんだよォ!!」
とヤケクソになり、第三部を書き上げたものです。
若くて拙すぎるけれど、萌えと怒りと好きと勢いを詰め込んで、一応完結させました。

が、1年経つか経たないかのうちに、何故かすごい恥ずかしくなって、原典を引っ込めていました。

それから数年。色々な作品(特に『アルテアの魔女』)を書いた私は、
「……不完全燃焼だ」
とアルファズルを振り返りました。
今の筆力ならどうなるか。あの頃描き切れなかったことを書けるのではないか。
そう思って2014年頃に、『アルファズル戦記』リメイク計画が始動しました。

原典の第二部を要素だけ抜き出して第一部と統合し、第三部を第二部として、二部構成に。
群像劇と言いながらあまりにも多すぎるキャラを、除外したり出番を減らしたり。ラヴェルとかモリガンとかノクリスとか、うっかり番外編から本編に輸入されたキャラもいますが……。

そんなこんなで、2021年にリメイク版『アルファズル戦記』第一部は、物理本Web版ともにスタートしました。
そして昨日、第二部イリス編の始まりです。

クレテスが亡くなっていて、その謎を解くために旅立った先で、母親さえ届かなかった存在に立ち向かうことになるイリスの運命は、原典と変わりません。第1章でユリシスがヒーローか?と思わせて、メインヒーローのアッシュが後からしれっと登場します。

「お姫様と英雄は以下略ゥ!!」
その信念は変わりません。それを貫きます。
ただ、ただひとつ。私は平成の若かった私に反逆しました。
「ハッピーエンドってのは、こうやるんだ!!」
を、過去の私に叩きつける為に、原典と多少異なるエンディングを目指しております。

物理本4巻でもう既にミスが3ヶ所見つかって、何回推敲したんだよお前え!って両手で顔を覆いながら崩れ落ちたいのですが、めげずに最後までやり通したいと思います。いえ、やります。

『アルファズル戦記』は私のオンライン活動原点にして、現在の完成形です。
「エステルとクレテス好きです! リメイク待ってます!」
と何度も言ってくださった友達。
表紙の話を2012年頃に持ちかけていて、正式に頼んだら快諾してくださったkitさん。
リメイク版を読んでくださっているかたがた。

皆様のおかげで、時折曇ることもありながら、私はリメイク版『アルファズル戦記』にエンドマークを打つまで走り続けたいと思います。いえ、やりきります。
何卒、よろしくお願いいたします!!畳む

#アルファズル戦記

ひとりごと2024年,創作