巨神機が基本的に鉄の色そのままである常識を打ち破り、その機体は、黒一色に彩られていた。
『このような役目をお前に与える私を、許してくれとは言わない。恨んでくれて構わない』
そんな真正面から自分を見るな。自分はそんな純粋さを向けてもらえるような資格のある人間ではない。
破滅が、人類の達し得なかった夢や希望の領域への到達をもたらしたのは、皮肉としか言いようがない。
黒か、白か。そう問われれば、血の色の目立たない黒が自分には似合いなのだろう。
この地は風采を描き変えられたのだ。『世界の始まる場所』として都合の良い土地へと。
そう。人々は世界を蘇らせるだろう。愚かな振る舞いを二度と起こさぬよう努力する者も、多く現れるだろう。